身近な素材なのに知らないことがいっぱい!

プロに学ぶ「プラスチック」の話(第ニ弾)

プラスチックにはいろいろな種類がありますが、DIYの素材として最も使われているのは「アクリル板」だそうです。そこで今回は、アクリル板について、もう少し詳しくご紹介します。

アクリル板には「押出板」と「キャスト板」があります。

 

・押出板

<作り方>

ところてんのように、アクリル原料を流し込み、決まった口金から押し出す製法。

<特徴>

厚みが均一で、長いシート状のものも作ることができます。

一度に大量生産することができます。

曲げ加工性に優れています。

 

・キャスト板

<作り方>

2枚のガラス板の間にアクリル原料を流し込みかためる製法。

 

<特徴>

押出板に比べ工程が多いが、生産量が少なくても製造できます。

切断・穴あけ・彫刻など、機械加工に優れています。

 

押出板とキャスト板には、それぞれ特徴があります。しかしプロの目でもわからないほど、見た目に違いはありません。ただ、実際加工をする段階になると、その違いがわかります。たとえば、押出し板は厚み不同が少なく、曲げ加工をするケース等の製品には適しています。アクリル板の上に彫刻したいときは、機械加工に強いキャスト板のほうがハッキリと刻印され、美しく仕上がります。

 

つまり、どちらが良い悪いではなく、用途に合わせてどちらを使うかを決めるのが賢い方法といえるでしょう。

 

お客様に「プラスチック同士をくっつけたい」といわれたら、どんな接着剤をおすすめしますか?

 

いいものマガジンVol.124で接着剤のお話をしました。それを覚えている方は、「『スーパーX』や『セメダインPPX』をおすすめすればいいんじゃない?」と思われたかもしれませんね。もちろんこれは正解なのですが、“プラスチックの接着”として、ぜひ知っておいていただきたい物があります。

それは「専用接着剤」。

プラスチック専用接着剤ではなく、「アクリル専用接着剤」や「ポリ塩化ビニル専用接着剤」など、さらに細かく分類された専用接着剤があるんです。しかもこの接着剤、一般の接着剤とは大きな違いがあります。

・一般接着剤

接着剤が間に入り、物と物とを接着させる。

・専用接着剤(アクリル専用接着剤やポリ塩化ビニル専用接着剤)

溶剤タイプ(液体)なので、板と板が溶け合い接着します。仕上がりが

透明で、接着力も強力です。

 

接着した直後は、どちらもきれいな仕上がりで、これなら専用接着剤を使う意味がないのでは? と思いきや、違いがでたのは翌日!

一般接着剤を使った方は、接着部分が真っ白に! 一方、専用接着剤の方は透明なまま。アクリル板の透明感を利用した物を作るには、絶対に「専用接着剤が良い」ということが実験からも判明しました。

アクリル板を、温めたホットプレートに乗せて2~3分待ちます。すると、硬いアクリル板が厚めのビニールシートのように柔らかく変化! 今回は適当にぐにゃぐにゃと曲げただけですが、工夫次第でいろんなものが作れますね。

 

<コラム>

水槽を作るには技術も必要?

実験結果からもわかるように、専用接着剤を使うと、一般の接着剤よりも美しく仕上がります。ただ、本当に美しく仕上げようとすると、技術も必要です。

たとえば、沖縄のちゅら海水族館。あの巨大な水槽はアクリル樹脂でできていますが、厚さはなんと60cm。厚さが60cmのアクリル板があるわけではなく、アクリル板を幾層も重ねて作られているのです。そこで、“重合接着”の出番です。水槽の透明度の高さを保つため、よりきれいに接着するには、プロの技が必要な、重合接着という技術があります。

 

専用接着剤は万能ではない。でも裏技も!

専用接着剤は、特定のプラスチックにしか使用することができません。たとえば、「アクリル樹脂と木材を接着したい」「ポリ塩化ビニルと木材を接着したい」となれば、多用途系の一般接着剤を勧めるのが妥当です。

ところがもうひとつだけ、裏技があります。それは違う性質同士のプラスチックを接着する場合です。たとえば「アクリル樹脂とポリ塩化ビニルを接着したい」ときは、アクリル樹脂専用接着剤とポリ塩化ビニル専用接着剤を混ぜて使えばOK。キレイに、しっかりと接着することができます。(十分に換気してください。)

 

専用接着剤の弱点? かつては5年後に思わぬクレームが!

専用接着剤は液体で、揮発性があります。現在は中蓋が付いていますが、20年以上前の製品には付いていませんでした。当時は、新品のまま5年放置していたお客様から、「中身がからっぽじゃないか」というクレームがきたこともあるそうです。一度開封した接着剤は、なるべく早く使っていただくようにしましょ

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