Do It Yourselfに未来を見た
![]() 新社屋完成(昭和42年) ![]() モントリオール万国博覧会へ ![]() 壁紙を貼る兄妹 |
昭和42年(1967年)。和気産業は変革の時代を迎えようとしていた。 それは、当時の専務・和気博史が、モントリオール万国博覧会を視察に訪れたときのこと。「日曜大工コーナー」を設置したイギリス館の盛況ぶりに驚き、そして尽きない興味を覚えた。「Do it yourself」。そう書いてある横文字の下には、「日曜大工をする親と子、壁紙を貼る兄妹」という構図で、家族そろって壁紙を貼っている姿が人間の倍ほどの大きな人形で展示されてあった。 「Do it yourself」。神戸に住む友人のところで見た、輸出用建築金物のパッケージにも記してあったフレーズ。「この言葉がこれからの未来を制する」と感じた、あの時のひらめきが鮮やかに甦った。 これは、日本でもブームになる。いずれDIYの時代がやって来る。そう確信した博史はこのとき、それまで家庭金物、建築金物中心だった事業内容を、まだ着手して3年ほどの日曜大工一本に切り替える決断を下したのである。 |
家庭金物から日曜大工へ
初のDIYブランド誕生
![]() 初のPB商品「組立て網戸」 ![]() 日曜大工用としての初のカタログ。表紙に「インディアン」マークの台紙を使う |
昭和42年(1967年)、モントリオール万博からDIYという新しいビジネスの発想を得た和気博史は、帰国後さっそく、独自の商品開発に乗り出すことになった。DIY発祥の地イギリスやフランスなども視察した。視察先では百貨店やスーパーを精力的に回り、品揃えや陳列方法等もつぶさに見てはメモして回った。このブームの兆しをいち早く取り入れたい──。 しかし、日本ではというと、DIYという言葉もまだ耳慣れない時代。日曜大工用品ではノコギリ、カンナ、金槌が主役だった。「これが本当に必要なものなのか…」。博史は疑問に思った。イギリス館で見た壁紙を貼る人形は、ノコギリも金槌も持っていなかったからだ。 そもそも、DIYすなわち「Do it yourself」とは、第二次世界大戦後のロンドンで生まれた概念である。空襲で廃虚となった街を、自分たちの手で復興させよう、ペンキ塗りもれんが積みも自らの手でやろうという一種の国民運動が起こったことが、始まりとされる。この運動がフランスを経てヨーロッパ全土に広まり、さらにアメリカに渡って大きなDIY産業へと発展。昭和32年(1957年)には、ロンドンでDIYのノウハウを中心とした雑誌『Do it yourself』も創刊されている。 博史の強い思いは、形となってあらわれた。「インディアン」マークを商標登録し、昭和44年(1969年)には初のオリジナル商品「組立て網戸」を発売。包装紙には「日曜大工で簡単にできる網戸」というキャッチフレーズも入れ、「インディアン」マークのついた台紙には「Do it yourself」の英文字も印刷された。これは和気産業が手掛けるDIYブランドの目印となった。さらに同年、初めて日曜大工用品だけのカタログが作成される。すでにアイテム数は197点に達していた。 |









